イアン・カーショー『ヒトラー』を読んだ。

いやー、すごかったですよ。そこらの戦争映画を見るより感動したんではないか。千ページを超えるハードカバーで、分厚くて重い。いつもは寝床で、寝転んで読むのが読書タイムなんだが、こればかりはそうはできない。テーブルの上に置いて読みふけりました。貴重な時間、というより日々を奪われたよ。今年の梅雨は、毎日雨だったので、百姓仕事ができなかったせいもある。

ジンギスカン、ナポレオン、シーザー、たくさんの英雄が本になっているけれど、この本は格別やね。だってヒトラーは英雄でも何でもなく、悪魔の権化でしょ。75年前の社会現象として、いかにヒトラーという化け物を人々が熱狂して支持したのかを証明している。

ドイツ人は今でも、ホロコーストや大量虐殺のことは知らなかった、と言うけれど、その意味も分かるような気がする。日本だって、あの時、爆弾を抱えて自爆攻撃をして「バンザイ」と言っていたのだ。そして今も同じ魔法にかけられている。誰も批判する人はいない。国際間の政治闘争は今も連続していて、ドイツは特殊な位置にある。日本もね。

私は風力発電の低周波被害を訴えている。目の前で、低周波被害が苦しいと言って死んでいった人たちに遭遇した。しかし行政は、警察は、むしろ被害者を弾圧して黙らせてきた。被害を隠蔽した。被害があることを分かっていながら、風力発電の建設を進めた。「お前は電気を使わんのか」「関係ない」、いったい誰のための公務員かと驚いたものよ。

地球温暖化説、再エネ社会の推進には否定や非難も多い。しかし風力発電を推進するのは環境保護団体だけではなく、日弁連、一般教員、学会、産業界、政府、政党、など強力にCO₂削減、気候変動の危機、などと熱狂しているのだ。なぜな?彼らはこの平和な日本社会で、風力発電の低周波被害に苦しんでいる人がいて、何度となく助けを求めて訴えている事実を知っている。

それでも「そんなこと言うのはあなただけだよ」とお決まりの拒否の言葉を繰り返す。笑えないのは、初めから被害者がいることに目をつけて「風力発電を考える会」などというグループを作って、被害者を一まとめにして潰してしまうやり方だ。各地で被害者たちは消されていった。優生思想か、最終処分か、地域は自由にコントロールされていた。

風力計画地も同じやり方で、風車の建設が進められている。環境破壊だけではない。人間性、社会の破滅に向けて「風力発電が必要だ」と繰り返すのだ。ナチズムと社会の関係にそっくりではないか。今のところアメリカのトランプ大統領だけが、風力発電などの温暖化対策に反対していると聞いている。ドイツはもうボロボロよな。そして日本も。