今年も100円売り場を始めた。

ゆら早生は色付くのが早いので、一番先に出荷することになる。小玉が多くてね。摘果して粒の大きさを揃えないから、小っちゃいものばかりよ。近所の百姓からも、ちゃんと作ればお金になるのに、と言われている。私にも分かっているけど、どうも苦手なんだろう。みかん作りには女手が欠かせないという。そのとおりだよ。

蜜柑畑も田んぼも、維持管理が目的でやっている。たまに赤字になることがあって、百姓も大変だな、と周囲の百姓たちのことを思ったりする。自然を相手の仕事だから条件はみな同じよ。こんな田舎町の百円売り場だから、いくら売れたところで知れている。盗られることの方が多い日もある。

店員のいるスーパーマーケットでも万引きがあるんだから、無人販売ならなおさらよな。盗癖の人は病気だと思っている。さぞ生きていくのに大変なことだろうと思う。貧しいとか貧乏とかではなく、そんな人とは仲良くできないでしょ。それが分からないからやっているんだろうけど。100円売り場は母が楽しみにやっていた。

阪和高速道路のないときだったので、結構よく売れたらしい。コツコツと溜めて、アパートが一軒建った。バブルの時代だったからね。両親はいい時代を生きたのだ。最後は旅行ばかりしていた。バカ息子は一人、百姓しながらこれも運命かと日々を過ごしてきた。いたずらに啾啾たらんや、と。(王陽明、啾々吟です)

ヘロドトス『歴史』を一気読みした。

なんか小難しいことをギッシリと書いてあるな、と思いながらも、夜中にゴソゴソしながら三冊全部読んでしまった。こまごましたことは忘れているけれど、結構面白かったからフンフンと言いながら読めたんだと思う。ヨーロッパのエリートたちは、常識的にこの内容は知っていると聞く。

日本人は全然知らないから、話のベースがどうしても合わないんだろうね。内容は紀元前500年頃のギリシャ社会で、ペルシャが攻めてくるときの英雄物語よ。と言っても誰も知らないな~、マケドニアのアレキサンダー王か、でも時代が違うから別人だろう。

ピラミッドは出てこないし、シュリーマンの『古代への情熱』の時代でもない。キリストだのイスラムだの言う宗教もない。巫女が託宣するという。やはり日本の古代史とは違う。歴史と言うのは、ホントにいろいろな出来事が積み重なっているんでしょうな。

そんな中で自由を求める生き方、民主主義を理想として西欧社会は成熟していく。けれど責任回避の平民は奴隷だと嫌悪する。そうそう、ハリウッド映画でも、「なんだ、奴隷の言葉か」と言うセリフがある。この辺に彼らの価値観が見えるのだ。こんな道徳観念が、どっさりと書かれた戦争の殺戮の中で描かれている。

西洋人を理解するためには良い本でした。彼らが、いったい何に価値を置いているのか、少しは勉強になった気がする。司馬遷の『史記』も面白いけど、この本も読むべき価値はある。日本に、こんな歴史書がないのは残念だ。日本書紀など、身近な内輪話に思ったよ。