盆には、かわいい妹たちが来て、

今年は親父の七回忌だから灯篭を作って寺の行事に参加した。私の横には「萬倍矣」(万倍なり)と書いてある。何が万倍なのかというと、兄妹が仲良く過ごすことが眞の道だというのだ。この世の中で生きていくことは厳しいことが多々ある。

それでも年に一度は先祖を祭り、楽しく過ごすことができれば、これに勝ることはない。私も何とかここまで漕ぎ着けた、というところだ。欲は言うまい。ある程度やってきたら、あとは宿命だと思っている。やっと父母のこと、祖父母のことが分かってきたような気がする。

出来の悪い跡取り息子であった。それも先祖たちが築いてきた結果の話よ。観念して静かに田畑を耕して生きていくつもりだ。どうやらこれが性に合っている。東京や大阪での生活は、夢のまた夢の思い出話よ。